剣道の「道」とは
いったい何のために剣道をするのでしょう。強くなりたいから?試合に勝ちたいから?小川忠太郎範士九段は「竹刀を刀だと思って真剣に稽古して本当の日本人になる」と云われました。「日本人」とは、どんな人をいうのでしょう?大昔、日本は「倭(わ)の国」と呼ばれていました。やがて「大和(やまと)」という国が日本を一つにまとめたのが始まりです。その国づくりに一生を捧げた人が聖徳太子です。彼がつくった十七条の憲法の第一条に「和を以て貴しとなす」とあります。ここにこの国のあるべき姿、日本人の姿が示されていると私は思うのです。争わず仲良くすること。そうした人になる道を、竹刀を手にとって学ぶのが剣道なのです。それは三歳の子どもでも理解できます。しかし、実行するのは七十歳の老人でも難しいことです。だからこそ、一生懸命稽古することが大切です。子ども達には「元気に、楽しく、仲良く」稽古してほしいと思います。