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2019.06.09

どこまでも果てしない剣の道

「剣は心なり、心正しからざれば、剣また正しからず、剣を学ばんとする者はまず心を学ぶべし」。当少年団の設立者である先師から、よく聞かされたこの言葉の意味が、その重さが三十年以上の時を経て、ようやくわかるようになってきました。若いころのように、スピードやパワーに頼ることができなくなると、残るは「気力」、「心」だけということになります。しかし、「心」は、どこにもないが、どこにもあるという厄介な代物。先師はよく「あの宮本武蔵でさえも、剣の道を極め尽くすことなく、世を去った。」とも言っておられたが、剣道という道は、はるかに遠く果てしない道。だからこそ、剣道の魅力に取りつかれた人にとっては、求めてやまない道なのだと思います。

2019.06.05

原町剣道スポーツ少年団設立50周年

昭和43年6月に設立された原町剣道スポーツ少年団は、今年令和元年6月をもちまして、50周年を迎えました。10周年、20周年、30周年、40周年と、10年ごとに、記念大会を開催してきましたが、少子化と東日本大震災の影響もあり、50周年では、記念大会を行わず、かわりにホームページを開設することにしました。戦後の剣道はスポーツ競技として、試合を中心に発展してきました。このことは剣道人口の増加と、競技力向上には大いに効果があったと思います。しかし、勝利至上主義の弊害は、剣道そのもの質の低下を招いてしまい、剣道本来の楽しさや面白さが伝わらず、逆に剣道離れが生じてしまったことも否定できません。剣道はもともと殺し合いから生まれた武術で、修行によって得られる精神面における効果が期待できることから、武士の教育に取り入れられ、明治以降は学校教育にも導入され、戦後の混乱期を経て、現在に至っています。剣道はとても楽しいものです。江戸時代末期、千葉周作の道場には弟子が三千人もいて、夜はかがり火を焚いて稽古したと伝わっています。

当原町剣道スポーツ少年団は、剣道の原点に立ち返り、稽古を主体として活動しています。剣道が盛んな地域の道場には到底及びませんが、東北地方の片田舎であっても、本物の剣道が学べる道場を目指しています。小さなお子さんがおられましたら、ぜひ一度ご一緒に見にいらしてください。皆様との出会いが、剣道との出会いが、さらによい出会いに繋がっていくことと思っております。令和元年6月5日