どこまでも果てしない剣の道
「剣は心なり、心正しからざれば、剣また正しからず、剣を学ばんとする者はまず心を学ぶべし」。当少年団の設立者である先師から、よく聞かされたこの言葉の意味が、その重さが三十年以上の時を経て、ようやくわかるようになってきました。若いころのように、スピードやパワーに頼ることができなくなると、残るは「気力」、「心」だけということになります。しかし、「心」は、どこにもないが、どこにもあるという厄介な代物。先師はよく「あの宮本武蔵でさえも、剣の道を極め尽くすことなく、世を去った。」とも言っておられたが、剣道という道は、はるかに遠く果てしない道。だからこそ、剣道の魅力に取りつかれた人にとっては、求めてやまない道なのだと思います。